有機化学 その5 アルケンへの水、アルコールの付加
今回のテーマは
「アルケンへの水の付加、アルコールの付加」です。
まずはアルケンへの水の付加(水和)について説明していきます。
アルケンへの水の付加は触媒なしでは反応が進みません。
その理由としては
水のO-H結合が強く、水の水素が求電子剤として働かないからです。
そこで用いるのが酸触媒です。(たいていの場合硫酸H2SO4です)
この酸触媒を加えると酸から求電子剤が供給されて、反応が進みます。
この反応機構を見ていきます。
①求電子剤はプロトンなので前の記事で説明したマルコフニコフ則に基づいてsp2炭素に付加します。
②水はHSO4⁻よりはるかに高濃度であるため、水がカルボカチオンに結合します。
③生成されたプロトン化されたアルコールのほうが溶液よりプロトンを解離しやすいのでアルコールのプロトンがとれます。
続いて、アルケンへのアルコールの付加を見ていきます。
アルコールも強いO-H結合をもつため、酸触媒が必要となります。
反応機構を見てみましょう。
水の付加となにも変わりません。
唯一異なる点は求核剤が水ではなくアルコールであるという点のみです。
これらの付加は簡単ですね^^
次の記事では「ヒドロホウ素化」について説明していきます。