有機化学 その2 アルケンへのハロゲン化水素の付加
こんにちは!
では、さっそくアルケンの各反応について詳しく見ていきたいと思います。
今回のテーマは「ハロゲン化水素の付加」です。
アルケンにハロゲン化水素を付加するとハロゲン化アルキルになります。
この過程を見ていきたいと思います。
この写真の一番上の反応ですね。
この付加反応は2段階で進んでいきます。
まず、1段階目としてプロトン(求電子剤)がアルケンに付加してカルボカチオン中間体が生成します。この反応は比較的遅めです。
そして2段階目として塩化物イオン(求核剤)がカルボカチオン中間体と素早く反応し、ハロゲン化アルキルになるという流れです。
ここで、写真の1番上の反応について
ある疑問が浮かんでくると思います。。。
「塩化物イオンはどっちの炭素に付加してもいいの??」
答えはNOです。
ここで1つ前の記事で説明したカルボカチオンの安定性が関係します。
先ほど説明したように、ハロゲン化水素の付加は、
1段階目が遅く、2段階目が早い反応です。
つまり、1段階目の反応がよりはやいほうのカルボカチオンに素早く塩化物イオンが付加し、より多くのハロゲン化アルキルが生成するということです。
ここで、
求電子的付加反応では
より安定なカルボカチオンが速く生成される
という事実を覚えておいてほしいです。
要するに、より安定なカルボカチオン中間体にハロゲン化イオンが付加してできたハロゲン化アルキルが多く生成されるということです。
覚え方としては
ハロゲンは寂しがりやだから周りに多くのアルキル基がいてくれたほうが安定する
といった感じですかね?わかりにくいですか?(笑)
無視していただいても大丈夫です。(笑)
次の記事では、この付加反応に関係している「マルコフニコフの法則」について説明します。
読んでいただいてありがとうございました。